オーバーホールとは腕時計を分解して行う分解掃除のことです。
機械式時計はゼンマイを動力源として、多数のパーツを動かして正確な時間を表示しています。
潤滑油が切れてしまったり、防水を保つパッキンが不良になり防水性能が低下することで正確な時間を刻むことができなくなります。
また見えない部分のチェックやパッキンなどを交換することで長く快適に使うことができるのです。
なので、
時計のオーバーホールとは車でいうと車検みたいなコトで、
修理ではなく定期点検なのです。
オーバーホール期間の目安は3~5年に一度
メーカー推奨では多くが3年に一度オーバーホールをおすすめしています。
しかし、多くの人は5年に一度くらいの人が多数だと思います。
また、大きく遅れが出はじめたり、通常より時計が早く止まってしまうなど不具合が出てからオーバーホールに出される人もいます。
なぜ時計メーカーはオーバーホールを3年に一度くらいを推奨しているかというと、いちばんの理由は「長く快適に使ってもらう為」です。
長く快適に使う為に管理が大切なのは、
- 潤滑油が切れていない
- 防水性能が適切に保たれている
この2点が非常に大切になるのです。
最近の潤滑油はまず3年ほどでは切れないと思いますが、しかし防水性能に大切なパッキンは使用環境により大きく寿命が違ってきます。
汗や汚れだけでなく、ハンドソープや整髪料などの成分が知らず知らずのうちにパッキンの劣化を早めています。
とくに高温多湿で気温変化もある日本での使用は、パッキンの素材には過酷な環境とも言えます。
防水性能が低下した場合は湿気が本体内に入りこみ、潤滑油の劣化や錆びの原因になってしまいます。
ハッキリ言って潤滑油が劣化するくらいはいいのですが、内部パーツに錆びが出てからオーバーホールをすると部品交換が必要になり高額になったり、最悪の場合は錆により防水性能が戻らなくなってしまったりします。
とくに日常生活防水の時計は湿気の入りこみに注意が必要です。
なので、
メーカーでは時刻の遅れなどがなくても定期点検として3年に一度くらいのオーバーホールをおすすめしているのです。
購入後の3年目にオーバーホールがおすすめ
また、新品の機械式時計の購入3年後に不具合などなくてもオーバーホールすることが重要です。
理由としてはセイコーHPを参照すると、
新品は最初の分解掃除が重要
機械式時計は、特に新品のときは摩擦による潤滑油の汚れや細かな金属紛が出やすい時期であるため、最初の3年目の分解掃除(オーバーホール)はその後永く使う上でとても大切です。
出典「SEIKO」修理・サポートより
と、新品の機械式時計は摩擦で金属粉が出て潤滑油が劣化しやすいので、時刻の遅れや不具合が無くてもオーバーホールをするのがおすすめなのです。
オーバーホールはどこでする?
オーバーホールは購入店で依頼する人がほとんどです。
しかし、仕事などで忙しく時計店まで行く時間がなかったり、少しでも費用を安く抑えたい場合は時計修理専門店に依頼する方法もあります。
時計修理専門店でのオーバーホールでは時計店を経由しないので、期間や費用を抑えることを期待できます。
時計修理専門店はメール連絡や配送なので時間が無い人にぴったりです。専用の配送パックも用意されているので段ボールやパッキン材などを用意する必要もありません。
また、近くに時計店が無い人にもおすすめです。
▼おすすめ時計修理専門店
時計修理・オーバーホールの【WATCH COMPANY】はこちら
▼料金表はこちら
オーバーホール料金表
▼依頼方法を見てみる
受付から納品まで
最後に
この私物のハミルトンは5回オーバーホールをしています。
時計が好きになって機械式時計を買ったけど、オーバーホールをいつすれば良いのかよく分からない人が多いのではないでしょうか。
ネットで調べても3年ごとや止まってからなど意見はさまざまです。
私の個人的な意見としては、一生モノとして大切にしたい時計なら5年に一度オーバーホールをおすすめします。
しかし、次に狙っている時計があるなら、遅れが出はじめてからでも良いと思います。
また、そのタイミングが買い替えのチャンスだと思います。
- 大切な時計→5年に一度オーバーホール
- 買い替え予定→遅れが出てからにする
と考えても良いと思います。
本当に大切にしたい時計なら面倒でも、5年に一度オーバーホールをした方が絶対に良いと思います。
大切に管理すれば何十年後でも正確に時を刻みます。
30年以上も大切に愛用した時計なら、まるで自分の分身のように命が宿ることでしょう。