腕時計のガラスについて解説します
時計の顔といえば文字盤ですが、ガラスにキズが入ると古ぼけた印象になってしまいます。
なので”ガラスのキズつきにくさ”は時計選びでは重要なポイントになります。
今回はホームページやカタログなどで時計を見るときに大切な「ガラス素材の種類と特長」について解説します。
腕時計のガラスの種類と特長
腕時計のガラスの素材は大きく3種類に分けることができます。
*ガラスではなく、風防(ふうぼう)と書かれている場合もあります。
<ガラスの種類と特長一覧>
サファイアガラス | ミネラルガラス | アクリルガラス | |
---|---|---|---|
硬さ | 非常に硬い | 普通 | やわらかい |
透明度 | 高い | 普通 | やや低い |
キズ | キズに強い | キズつきやすい | 非常にキズに弱い |
価格 | 高価 | 安価 | 非常に安価 |
他の名称 | サファイアクリスタル | ガラス | プラスチック風防 |
1.サファイアガラス
サファイアガラスは粉末の人工サファイアを熱で溶かして再び結晶化させてつくられたガラスで、強度的には宝石のサファイアと同じ最高クラスの硬度があります。
特長としては、
- 非常に硬くキズに強い
- 透明度が高い
などで、腕時計のガラスには最適。
とくにすり傷に強いので、日常的な使い方ではガラスにキズが入る心配がありません。
キズが入りにくく腕時計の顔ともいえる文字盤がいつまでも綺麗に見えるので高級時計によく採用されています。
欠点は高価な素材なので腕時計の価格が高くなることです。とくにダイバーズウォッチは水圧に耐えるため分厚いサファイアガラスが必要になるため非常に高価になってしまいます。
2.ミネラルガラス
いわゆる一般的に「ガラス」と呼ばれるのがミネラルガラス。とても安価で加工もしやすいので一般的な腕時計にはよく使われるガラスになります。
ミネラルガラスはややキズつきやすく、日常的な生活での使用でもキズがはいることがあります。
そしてミネラルガラスを特殊加工して強度を高めた「クリスタルガラス」や「ハードレックス」など強化ガラスもあります。ミネラルガラスよりも硬いのですがキズが入る場合もあります。
ミネラルガラスは安価なモデルやファッションウオッチによく使われる一般的なガラスです。安価なのですがキズに弱いので高級な時計には使われることはほとんどありません。
ただしドーム型やラウンドしたような特殊な形状のガラス場合はサファイアガラスでは非常に高価になってしまうので、ミネラルガラスやクリスタルガラスが採用される場合もあります。
3.アクリルガラス
アクリルガラスは「プラスチック風防」とも呼ばれるプラスチック素材のガラスです。
厳密にはプラスチック素材なのでガラスではありませんが、時計用語ではアクリルガラスと呼ばれています。
アクリルガラスは強度を高めるため「ドーム型形状」にしてあることが多く、ふっくらとした見ためなので時計がアンティークな雰囲気になります。
またガラスと違いキズには弱いのですが、衝撃で粉々に割れることが少ないのでミリタリーウォッチなどアウトドア系の時計には現在でも使われることがあります。
しかし、
洋服やカバンの金具などに擦れるだけでもキズが入ることがあるので、ふだん使いにはあまり向いていません。
ただし、小傷なら自分で磨いて消すことも可能です。
またアンティーク時計では、ややくすんできたアクリルガラスの雰囲気がとても良く、キズさえ個性となるのでアクリルガラスが好きな時計マニアも多くいます。
あとがき
ガラスは腕時計選びでは重要なポイントです。
いつまでもクリアなガラスはとても気持ちの良いものなので、やや高額であってもサファイアガラスを採用したモデルが魅力的です。
またガラスはどうしても汗や皮脂で汚れてしまいますが、シリコンクロスで拭けば本当にスッキリクリアになるので毎日のお手入れにおすすめ!