アンティークの手巻き時計を初めて買うときの注意と選び方

アンティークショップイメージ 時計の選び方

アンティークショップや輸入雑貨屋などで可愛いアンティークウォッチが並んでいて、気になっているひとも多いのではないでしょうか。

でも、

「手巻き時計」って書いてあると、不安になってしまいませんか!?

はじめてアンティーク時計を買うときは、誰でもちょっと迷ってしまうと思います。

今回はアンティークの手巻き時計をはじめて買う時によくある心配ごとにお答えします。

アンティークの手巻き時計購入の注意点

アンティーク時計イメージ
はじめてアンティーク時計を買うときに心配になるのは、

  • すぐに壊れない?
  • 知らないブランドだけど…
  • 時間は正確なのかな?
  • 使い方が分からない…

などではないでしょうか。

アンティーク時計は個々に年代も状態も違うので絶対とはいえませんが、よくあるトラブル例などをご紹介しながらそれぞれについて分かりやすく解説していきます。

すぐに壊れないか心配…

★基本的にオーバーホールが必要と考える

アンティーク時計はすべて状態がちがうので、壊れやすい壊れにくいなどは一概に言えません。

しかし、

アンティーク時計専門店で”オーバーホール済”として販売されている時計ならすぐに壊れることはないでしょう。
(オーバーホールとは時計を分解掃除して整すること)

 

でも…、

アンティーク時計は「偶然のめぐり合い」が多く、街の雑貨屋などでたまたま目にして引き寄せられてしまうことも多いと思います。

雑貨屋などでは保証ナシで販売されていることも多く、一応動くのですがすぐに止まったり一日に何十分も遅れたりするかもしれません。

それは機械の潤滑油が切れていたり、ゼンマイや歯車に汚れがついて上手く動かなくなっている場合がほとんどです。

アンティーク時計が造られていた頃は特殊な防水時計以外はほとんど防水性がなく、雨や汗などが内部に入りこみやすいのが大きな原因となっています。

このような場合はオーバーホールをする必要があります。

オーバーホールの費用には数万円かかる場合がほとんどなので、アンティーク時計専門店以外で購入する場合は購入金額+数万円と考えておいた方がいいでしょう。

調子の悪いまま使うことはアンティーク時計に大きな負担をかけるので、オーバーホールしてから愛用してあげましょう。

 

ーートラブルの一例

  • 動くけど何十分も遅れる
  • 動くけどすぐに止まる
  • 裏ブタが外れてしまう

などです。

動くけど遅れる・止まるなどは機械の潤滑油が切れている場合がほとんどで、オーバーホールをすればある程度は解消できるでしょう。

ただし、

アンティーク時計の精度はもともと高くないので一日数分の誤差はでるでしょう。

 

それと、知らないと驚いてしまうのが裏ブタがはめ込み式の時計です。

時計本体に金属製の裏ブタがハマっているだけなので、落としたときのショックなどでポロっと外れることがあります。

また、簡単に外れるからといって中の機械を見ようと開けないでください。

機械にホコリが入ってしまうなどトラブルの原因になります。

 

知らない時計ブランドでも大丈夫!?

★今は有名でないブランドも多数

ロレックスやオメガなどは誰でも知っていると思いますが、今はあまり有名でないブランドも多数です。

比較的に入手しやすいのはグリュエン(GRUEN)、ブローバ(BULOVA)やエルジン(ELGIN)でしょう。

ただし、

保管をきちんとされず程度が悪い時計が多いので注意が必要です。

どのブランドも1870年前後に創業した老舗ばかりです。しかし残念ですが現在はあまり有名ではなくなりました。
(現在はブランド名を売ってしまっている場合も多くあります)

アンティーク時計は一期一会なので、ブランドを気にせず購入するのがいいでしょう。

アンティークの時計の精度について

★数分くらい遅れる場合が多い

アンティーク時計の機械は工作精度が現在ほど良くないので、やはり日差と言われる誤差が大きくなります。

オーバーホールをしても機械自体の精度が高くないので調整しようがありません。

やや時刻を進ませて合わしたりして、自分なりの時刻合わせをしてみましょう。

そして、

長く使っていると時計のクセが分かってきて、さらに愛着がわいてくると思います。

 

手巻き時計の基本的な使い方

★基本は決まった時間に巻上る

ーー巻き上げ方

巻き上げの方法はリューズを持って巻き上げて、そのまま逆方向へ回しまた巻き上げる方法がおすすめされています。

そしてだんだん重くなってきたら、やや優しく巻き上げるようにして止まるところまで巻き上げてください。

止まってから無理に巻き上げるとゼンマイが切れる場合があるので注意してください。

巻き上げ量を毎回変えてしまうと、「昨日は1分のズレなのに、今日は5分近くズレた」など日差がバラバラになってしまいます。
(日差:一日でズレる時間)

 

ーー巻き上げる時間

基本的には毎日決まった時間に「リューズが止まるまでいっぱい巻き上げる」のが良いとされています。

それは、時計の遅れや進みのクセがゼンマイの巻き上げ量で変わってくるからです。

ゼンマイが少しづつほどけてくると針を動かす力も弱くなって、時間のズレも大きくなりやすくなります。

なので、

決まった時間に止まるまで巻き上げておけば、時間の誤差(日差)が同じようになるので使い心地がよくなります。

また”早く止まってしまう””時間の誤差が大きくなった”など、時計のコンディションを知ることもできるのでオーバーホール時期を判断するのにも役立ちます。

アンティーク時計とは

アンティーク時計とは決まった年代などはないのですが、クオーツ時計が出てくる前の1960年代くらいまでに造られた時計をアンティーク時計と呼ぶことが多数です。

この時代は腕時計が高級な装飾品だった時代でもあり、装飾がとてもていねいに造りこまれていて大量生産のクオーツ時計とはまったく異なった雰囲気。

さらに、色あせた文字盤が良い風合いになっています。

一つ一つ違う経年変化さえ個性なのです。

 

「アンティーク時計」は世界に同じモノは一本もありません。

同じモデルの腕時計でもキズや経年変化の具合が違うと、不思議に印象がちがってくるのです。

本当に、その一本だけなのです。

購入するときの選び方

アンティーク時計 サビ

アンティーク時計を見るときは、錆びがないかチェックするのが大切です。

この時代の時計には、ほとんど防水性能がありません。

リューズや裏ブタのスキマから湿気が入り込みやすく、錆びを発生している時計も多いです。

雑貨屋などでアンティーク時計を買うときは、文字盤に錆が出ていないかチェックしてください。

文字盤のフチが錆びている場合は中の機械にも錆がある可能性が高くなります。

錆が一度出ると色んな箇所まで移り、オーバーホールでは修理出来ない状態になってしまうこともあります。

ーーチェックの仕方

  • リューズや文字盤に錆がないか
  • ガラス内側が曇っていないか
  • 時計のスキマに錆びの跡がないか

湿気がたまりやすいリューズのスキマや時計の裏ブタのフチなどが錆びやすいので、まずはその辺りをチェックしましょう。

また、ガラスの内側が曇っていたり水滴の跡があるものは注意が必要です。

時計の表側だけでなく裏側やスキマを見るようにしてください。

どうしても心配な人は、

アンティーク時計専門店での購入がおすすめです。

さいごに

私は、アンティーク時計は遊び心をもった大人にぴったりな時計だと思っています。

毎日やや遅れたり、雨の日に外してポケットに入れたりなど、

面倒なところが”アンティーク時計を愛用している楽しみの”一つでしょう。

ぜひあなたも、世界に一点しかない贅沢品を楽しんでみてください。

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